光の速さを超えても過去に行けない理由

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えんちゃです!
突然ですが光ってロマンありますよね!
宇宙一速い物質ということもしかり
よくSFではワープなどの表現にも使われていますね。

光という滅茶苦茶面白くユニークな物理現象に興味を持ってくれるのは、
いち物理専攻として非常にうれしいのですが、SFでよく使われていることもあってか
よく

光の速度を超えたら過去に行ける

と勘違いしている人がいます。

調べるとgoogle検索でも結構上に出てきたりして、もどかしさを感じています。

なので今回は、誰でもわかるように、かつできる限り数学を使わないで特殊相対性理論を説明します。
その後、なぜ過去に行けないのか説明できたらいいなと思っています。

特殊相対性理論の始まり

まず、そもそも物理学者の最終目標を話していこうと思います。
もちろん、物理学者によって研究しているもの、専攻しているものたくさんありますが、
大筋の流れとしては
  『大統一理論の完成』が最終目標と言われています。

自然界には基本的な力が複数(重力、電磁気力、大きな力、小さい力)あります。
宇宙が始まった時、力は一つでした。それが複数の力に分かれて今に至ります。
それを数式で一つに統一し、力を解き明かすのが物理学の目標とも言えます。

さて、その統一理論の先駆け、第一歩を踏み出した人が1846年イギリスのマクスウェルです。

マクスウェルが導き出した、マクスウェル方程式という方程式は、
今まで、独立の力だと思われていた『電気』と『磁気』とは相互に関係をもつということを証明しました。
これにより、電磁気という電気と磁気を統一した、と同時に新しい分野が誕生しました。

話は変わって、
マクスウェル方程式は『光の速さが数式で求められる』ということを示していました。
C=1/√μe

これの式は観測した値と一致し、正しいことが確認されました。
また右の値はすべて定数なので光速もまた定数であることが証明されました。

これから40年後、特許庁にいた天才アインシュタインがこの式について考えます。

光の速さが定数なら、どうもおかしなことが起こりそうだ。

彼の考えたことはこういうことです。
たとえば60km/hで走っている電車に乗っている人がボールを50km/hで進行方向に投げたと考えましょう

電車に乗っている人はボールを50km/hと観測します
電車の外から見ている人は
60km/h+50km/h =110km/hでボールが進んでいるように感じます

当然これは当たり前ですが、光の速さになると勝手が違ってきます
ボールを光に変えて考えてみましょう

電車に乗っている人が懐中電灯をもって電車の進行方向側に光を飛ばします。
電車にいる人は当然光の速さCで進んでいるように見えます。

電車の外にいる人は…?
そうです。ボールだとボールの速さ+電車の速さでしたが
光の速さは一定だと先ほど証明してしまったので
電車の外にいる人にもCの速度で進んでいるように見えます。

どこから観測しても光の速さは変わらない
これを光速度不変の法則といいます。

時間が遅れてる

外から見た人と電車内にいる人は、両方とも光の速さは同じように見えるという不思議な観測が行われました。
これは一体どういうことでしょうか。

これを解決しようとアインシュタインは考えました。
光の速度はどの状態でも変わらない、変わっているのは時間のほうだ。

完全にSFっぽくなってきますね、でも事実です。
詳しく説明します。

今回は、電車を上から見た図を考えて、進行方向に垂直に光が飛んだと考えます。
電車の横幅は滅茶苦茶長く、光の速さで1秒かかるものとします。

この時、電車の中にいる人は、光は電車の幅だけ進んだように見えますが、
外にいる人には電車が進んだ分、斜めに進んだように見えます。

速度は 距離/時間 で求められます。

光の速度は不変なので光の速度が違うことを考えてはいけません。
仮に、電車の速度との重ね合わせによって光は1.5倍の速度を進んだとしましょう。

この観測を正しくするには電車の外から観測している人の時間を遅らせます。

これで、光の速度は変えず、距離と時間の矛盾をなくすことが出来ました。

光の速度が斜めに進めば進むほど、時間が遅くなります。
つまり、

乗り物の速度が早ければ早いほど載っている人の時間が遅くなります。

これが特殊相対性理論の超基礎の理論です。

つづきます。

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